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Yoshiaki Yagi Tax Accounting Office

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横浜市・戸塚区のバイリンガル税理士日記

法人設立のメリットとデメリット考えてみた

みなさん、こんばんわ!横浜・戸塚のバイリンガル税理士よっしーこと八木です。昨日、個人住民税を納付してきました。個人住民税の場合、一律10%となっているのですが、サラリーマンの場合、特別徴収で、毎月1/12づつ納付となりますので、体感的にあまり負担を感じないかもしれません。ところが、フリーランスの場合、普通徴収で、1年分の住民税を計算してきたうえで、1年分か3か月分づつ納付してください、という感じなので、けっこうお高く感じてしまうかもしれませんね~。

ときどき、”個人住民税や国民健康保険を減らす方法はありませんか?”、と尋ねられますが、やっぱり個人の所得を減らさない以上、個人住民税や国民健康保険を減らすことはできません。

国民健康保険も高いですよね~。会社の健康保険や厚生年金は給与から直接控除されますけど、国民健康保険や国民年金は、払わない人や払えない人も多いため、負担は増えていく一方で、将来的な恩恵はやっぱり明るくないと思います。

よっしーも、国民健康保険なんて、そうめったに使いませんけど、こんなに高い国民健康保険を払い続けるなら、会社を設立して、健康保険や厚生年金に加入しようかな~、なんて検討してます(汗)。

ただ、安易に法人を設立すると言っても、やはりメリットとデメリットがあります。そこで、今日は法人設立のメリットとデメリットを考えてみました。

・時間がかかる、手間がかかる

法人を設立するためには、会社の印鑑の準備、定款の作成、資本金の払い込み、会社登記をしなければなりません。法人の形態により、数日~1・2週間かかるのが普通です。逆に、会社を解散する場合、解散・清算といった手順を踏んで、その都度、申告や登記もしなければなりません。面倒であれば、司法書士や税理士に依頼することもできますが、個人事業に加えて、法人を設立するとなると、法人としての事務作業も当然増えます。個人事業だけであれば、開業時も廃業時も、届出書一枚提出するだけですみます。

・費用がかかる

法人を設立すると資本金の準備や会社登記など費用もかかります。廃業時や登記事項に変更があったときも同様に登記が必要なため、費用はかかります。

・給与がとれる

個人事業主は、個人事業として給与をとることはできませんが、法人であれば、役員報酬として給与をとることができます。給与をとると給与所得控除額もありますが、給与所得があるため、個人としては、給与所得と事業所得を合算して所得を計算することになります。法人では役員報酬は損金(経費)にできますが、個人の所得では、合算されるため、この辺りのバランスを考えて役員報酬の額を決める必要があります。

また、個人では、青色事業専従者給与や事業専従者控除、法人だと定期同額給与など、それぞれの節税方法があります。

・社会保険の加入

法人を設立して、役員報酬をとると社会保険(健康保険・厚生年金)に強制加入となります。一方、個人事業の場合、個人事業主は、社会保険に加入できませんので、国民健康保険や国民年金を負担することになります。前年分の所得が多かった方が、個人事業主になるより、法人を設立して役員報酬をとる方が、役員報酬の金額の決定のしかた(少額にする)によっては、保険・年金の負担をぐっと抑えることができます。

ただし、1人会社やパート数人程度の会社規模であれば、社会保険料の負担は、低く抑えられるかもしれませんが、正社員やフル勤務に近いパートさんがいると社会保険料の負担は増加します。健康保険や厚生年金は、半分は会社が負担しなければいけませんし、給与が上がれば社会保険料も増加しますので。そもそも、人を雇用すると労働保険もありますし、パートさんでも、一定時間以上勤務すると雇用保険加入の対象になります。

・税務上の取扱い

法人の実効税率は現在、約32%となっています。この数字は、今後下がっていく可能性があります。一方、個人の場合、最低15%(所得税5%・住民税10%)ですが、最高税率だと50%を越えます。また、個人事業主の場合、事業の所得が290万円を超えてくると事業税も考慮にいれないといけません。現時点では、損金算入する役員報酬の金額を考慮して、法人の実行税率32%を超えてくるライン(個人の所得だと600万円~900万円位)になると、やっぱり法人を設立した方が税負担は少なくてすみます。

また、所得が赤字で、青色申告を選択した場合、個人の場合、3年間翌年以降に繰り越せますが、法人の場合、9年間繰り越すことができます。

もともと、法人税と所得税は、所得に対して課税するという点から、法人と個人の事業所得では、同じような取扱いをしているものも多いのですが、交際費や源泉所得税なども検討要素に入れたいものです。個人の場合、事業に関連する交際費は100%経費にできるのに対し、法人(特に大企業)の場合、基本、交際費を損金にすることは認めていません。ただし、以前に比べて、飲食費など、交際費を損金算入する範囲は緩和されてきていると思います。それと源泉所得税。個人事業だと源泉所得税が差し引かれる報酬・料金の範囲は広いですが、法人にすると源泉所得税がかからなかったりしますし、法人だと必ず源泉徴収義務者になりますが、個人だと源泉徴収義務者にならない場合もありますので、このあたりも税務上のポイントかなと思います。

それ以外にも、個人だと家事関連費としての必要経費算入、法人だと社宅の取扱いなどの節税方法があります。

・その他

法人を設立した方が、対外的な信用があると言われますが、法人ではないと取引をしないという関与先があるなら別ですが、やっぱり、法人・個人問わず、決算書の内容や代表者の人柄の方が大事かもしれません。

また、法人と個人事業をしていて、法人成りの場合や法人と個人間での取引があると税務調査がきやすいような気がします。これは、法人・個人それぞれの処理は適正かどうか、どちらかに取引漏れがないかを調べるためです。

いかがですか?

法人を設立すると上記のような様々なメリットやデメリットがあります。よっしーの個人的な印象として、所得が一定額以上になったら、法人を設立した方がいいと思いますが、所得が一定額になる前だと、短期だけでなく、中長期でどうしたいかということと、「法人・個人事業・個人の生活」または「個人事業・個人の生活」の全体でのバランスで法人を設立した方がいいかどうかということを考えた方がいいような気がします。

長文ですが、今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。皆様、よい一日をお過ごしください。